ロサンゼルスは大都市ですが、都市規模に比して公共交通機関があまり発達していません。このため、自家用車主体の都市構造になっており、マイカー利用のできない交通弱者には不便な都市です。
そんな状況ですが、路線数は少ないものの地下鉄・ライトレールが運行されています。
メトロは、ロサンゼルス市内で3路線の軌道系交通機関を運行しています。
路線は、レッドライン・ブルーライン・グリーンラインの3路線がありますが、このうちレッドラインが地下鉄、ブルーライン・グリーンラインがライトレールです。ただし、ライトレールといっても、各駅は高床式のホームになっており、軌道もほとんどが専用軌道です。このため、日本やヨーロッパで多数採用されている低床車はありません。
Green Line | Blue Line |
どの路線も、各駅に券売機があり、乗車券を購入してから乗車することになっています。ただし、改札口はありません。このため、ライトレールはもちろん地下鉄もほぼ全駅が無人駅です。地下鉄の駅が無人というのは、ちょっと治安の面で心配な感じがします。無賃乗車に対しては、抜き打ち検札・高額罰金で対応しています。
Red Line |
メトロリンクは、ロサンゼルス近郊からの通勤鉄道です。
編成は、ディーゼル機関車が2階建て客車を牽引・推進するプッシュプル編成です。
メトロリンクのロサンゼルスのターミナルはUnion Station です。Union Station
は、ホーム約10線を擁する大きな駅ですが、いつでも優雅な時間が流れています。アメリカの旅客鉄道ターミナルには、歴史と建築美を感じさせる駅舎が多いのですが、Union
Station もそんな駅のひとつです。
旅客鉄道先進国とはいえないアメリカに立派な駅が多いのは意外な感じもしますが、逆に考えれば、日本のように輸送需要が多くないからこそ、古きよき時代の駅舎が生き続けられるとも言えるのでしょう。
メトロリンクも、各駅には改札はありません。券売機はほとんどの駅に配置されており、乗車券を購入してから乗車・または車掌から乗車券を購入することができます。検札はきちんと行われています。
メトロリンクのダイヤは、ローカルバスとほとんど同じです。通勤方向には1時間に3〜4本が運行されるものの、それ以外は1〜2時間毎の運行、土曜休日は運行が大幅に削減され、路線によっては完全運休になります。
『パシフィックサーフライナー』は、ロサンゼルス−サンディエゴ間を結ぶAMTRAKの列車です。
AMTRAKの運行する列車の多くは、2夜行・3夜行に及ぶ長距離運行のものが多く、時間に余裕のある旅行者の乗りものになっています。しかし、『パシフィックサーフライナー』は、所要時間3時間の手ごろな都市間列車として、よく利用されています。
車両は、サーフライナー専用車が使われます。AMTRAKの客車は、一般的には長距離客向けの設備が充実していますが、サーフライナーはAMTRAKでは珍しい短距離列車なので、他のAMTRAKの車両とは異なり、カジュアルな雰囲気の内外装になっています。