3.福田→広州南


◎17/02/24(金)
□福田 840(G6504・広州南)932 広州南

 2017年2月24日7時59分、私は地下鉄を乗り継いで、中国鉄路の福田駅にやってきた。福田駅は、深センの都心部の地下にある、高速列車の始発駅である

 中国の大都市の高速鉄道の駅の多くは、「都心から地下鉄で20〜30分もかかる場所に作られた、要塞のように広大な建築物」である。都心の地下にある高速列車の駅というのは珍しく、中国らしくない感じがする。

 地下鉄からの乗り換えは不便である。地下鉄福田駅から中国鉄路の駅までは地下道で結ばれているが、道のりは500メートルほどもあり、行くのに時間のかかる駅である。しかも、中国鉄路らしく、駅は広い。発着線は16両編成ホームが4面8線もある。大都市の深センに、こんな広大な地下空間を作ってしまう中国鉄路には恐れ入ってしまった。

 福田駅は、自動券売機がは多いが、乗車券販売窓口は少ない。昨日の夕方に切符を買いに来たときには、窓口は2口しか開いていなかった。しかし、切符を買う人も少なく、切符は難なく購入できた。

 発車15分前に改札が始まったので、ホームに下りた。私の乗る 8:40発の広州南ゆきG6504列車は、ドイツのICEタイプの8両編成である。ホームは地下3階で、フルスクリーンホームドアがある。このため、ホームでの列車の車体の撮影はほとんどできない。

   
待合室の様子

 私の乗った2号車の二等座は、2-3列シートの回転リクライニングシートが並ぶ。車内は発車前にはほぼ満席となった。

 8:40に福田を出発してしばらくは、地下軌道を在来線なみの速度で走る。10分弱で地上に出ると、すぐに深セン北駅である。福田駅ができた後も深セン北を始発とする電車は多く、ここからの乗客も多い。

 深セン北を出ると、電車は高速鉄道らしい走りっぷりになった。正確な速度は分からないが、体感速度は「のぞみ」に近い。しかし揺れは少なく快適な走りっぷりである。

 今日はあいにくの曇り空であるが、沿線はトンネルと平野部が半々。平野部には建物も多く、過疎地ではない。

 列車は深セン北と広州南までの間に、途中虎門1駅に停車する。虎門からも乗客は多数乗ってきて、デッキには立ち客も出た。

 深セン北を出て30分ほどで、終点の広州東が近づいてきた。広州東の手前の線路は大規模な立体交差になっている。私の乗った電車は、西側から来た電車と併走しながら、広州東駅に到着した。高速列車同士の併走シーンは、日本では体験したことがなかったので、これには感激した。


 私の乗ってきた列車は、深セン北から広州南まで102kmを36分で走破したので、表定速度は170km/h。途中1駅に停車していることを考えると、なかなかの走りっぷりである。

 初めての中国高速列車乗車は、短時間であっけなかったが、なかなか快適ではあった。

◎中国鉄路の券売機

 中国鉄路には、券売機が多数導入されました。しかし、残念ながら、外国人旅行者は、券売機を使って切符を買うことはできません。それは、この券売機で切符を買うためには、中国の身分証が必要だからです。 このため、外国人旅行者は、有人の窓口でパスポートを提示して乗車券を購入する必要があります。

 というのも、現在の中国鉄路の乗車券は、ダフ屋による買い占めをさけるため、記名式になったからです。中国では、乗車券購入時だけでなく、乗車時にも「実名制験証口」で身分証明書と乗車券を提示する必要があります。

 但し、券売機を使って列車の空席状況を検索するだけなら、身分証は必要ありません。中国の大きな駅の切符売り場にはたいてい、各列車の空席情報を示す大型のLED表示板が設けられています。しかし、不具合で情報が表示されないことも多く、あまりあてになりません。切符売り場の窓口に並ぶ直前に券売機を使って空席情報を調べておくと、窓口での乗車券購入がスムーズに進むので、お勧めです。


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