マレーシアは、道路が発達した国です。高速道路も整備されており、その高速道路上を長距離バスが大量に走っています。マレーシアの長距離バスの輸送力は鉄道よりもはるかに大きくなっています。このため、マレーシアでは、鉄道の切符が満員で買えない場合でも、長距離バスターミナルに行けば、長距離バスの切符が簡単に買えます。私も今回、ETS列車が満員だったため、止む無く長距離バスに変更したケースがありました。
ここでは、マレーシアの長距離バス事情を紹介します。
マレーシアの中規模以上の都市では、長距離バスは、街外れの高速道路入口付近に設置されたバスターミナルから発車します。
日本では、長距離バスは市中心部に乗り入れていて、繁華街近くのバスストップから気軽に乗れるサービスを提供していますが、マレーシアの長距離バスには、このようなケースはありません。
このため、長距離バスを利用する場合は、空港アクセスほどではないですが、バスターミナルへのアクセス手段・アクセス時間が問題になります。
クアラルンプールの「TBSバスターミナル」へのアクセスは、分かりやすくて便利です。KLセントラル駅から近郊電車(KTM KOMUTER)に乗って18分で行くことができます。しかし、これは例外的です。
クアラルンプール以外の多くの都市では、ダウンタウンとバスターミナとの間のアクセスは、路線バス・またはタクシーの利用を必要とします。路線バスの場合は、30分ほどかかる、というのがほとんどですので、時間がかかります。しかも、路線バスは分かりにくいことが多いです。
この点においては、マレーシアの長距離バスは、街中の駅から発車する列車と比べると、明らかに不便です。
マレーシアの長距離バスは、同じ区間を色んな会社が運行しています。大都市間の場合、10社以上のバス会社が、合わせて1時間に10台以上の長距離バスを走らせています。
しかし、大きなバスターミナルでは、切符売り場の窓口はIT化され、共通化されています。つまり、一つの窓口で、どこの会社のバスの切符も買えるようになっています。
チケット購入の手順は簡単です。窓口で行先を申告すると、窓口に設置されたディスプレーに、直近数本のバスのバス会社・値段・空席情報が一覧表示されます。乗客はそれを見て、乗りたいバスを指定するだけです。バスターミナルによっては、設置されたディスプレーがタッチパネルになっていて、自分で乗りたいバスをタッチして選択し、シートマップから座りたい座席をタッチで選択できるようになっているところもあります。
※以前は、バスターミナルの切符売り場は統一されておらず、バス会社毎に分かれていたそうです。この時代は、呼び込みが盛んに行われていたというエピソードが多く残っています。
長距離バスチケット購入時には、身分証明書の提示が求められます。外国人なら、パスポートを提示する必要があります。