CHAPTER 1-ハルツ狭軌鉄道へのアクセス

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 2007年8月13日、私はハルツ狭軌鉄道に乗るべく、フランクフルトを出発した。ハルツ狭軌鉄道の始発駅であるクェドリンブルグ(Quedlinburg)に向けて何度か列車を乗り継ぎ、15時56分、マグデブルグ(Magdeburg)に到着。ここまではICEやICの走る幹線ルートだったが、ここからはローカル線に進入することになる。

 私は今回はジャーマンレイルパスを利用している。ジャーマンレイルパスはDB(ドイツ鉄道)に乗り放題の、外国人用乗車券である。
 ところが、マグデブルグから乗車予定のタレ(Thale)ゆき列車は、車体に"HEX HarzElbeExpress" と記されており、"DB" の文字はどこにもない。"HEX" のマークのついた制服姿の車掌らしき人にジャーマンレイルパスを見せるが、車掌氏は首をかしげ、他の職員らしき人を手招きして何か話している。そのうち、職員氏から「Destination?」というようなことを聞かれ、「Quedlinburg」と応えると、職員氏は「OK、OK」とおっしゃってくださった。

 このHEXのように、ローカル線の普通列車の中には、DBから地方の会社に移管されたような列車が散見される。日本の第三セクター地方鉄道のようなものかと思うが、日本の第三セクター鉄道では青春18きっぷやJapan Rail Passは使えない。このため、ジャーマンレイルパスでHEXに乗れるか否かは、独断できるものではなかったのである。

※ おなじ例としてはほかに、フルダ(Fulda)-から乗った "cantus" という列車があります。

 そんなことを考えている間に、タレゆき列車はマグデブルグを出発。この列車は列車種別表記はないが、快速相当の停車駅になっている。辺りは一面平原の、大陸らしい風景である。この路線は、1時間に快速・普通あわせて1本程度が走るローカル線だが、複線区間が多く、行き違いのための停車はない。

 17時18分、列車は目的地クェドリンブルグに到着。このクェドリンブルグは、狭い石畳の道に沿って木組みの家が並ぶ城下町。テーマパークと見まがうような街並みは、世界遺産にも指定されているという。そんな美しい街並みを観光客が多く歩いており、見ていて楽しげな気分になる町である。フランクフルトであれほと大量に見かけたアジア人旅行者は、ここでは見かけなかった。
 が、観光地とはいってもそこは田舎町。18時半過ぎには、まだ空は明るいというのに、街中の店という店がほとんど閉まってしまった。夕食のまだだった私は、何か食べられる店を探して町を歩き回る羽目になり、一気にひもじい気分になったのである。

クェドリンブルグへは、マグデブルグからのルート以外に、もっと南のハレ(Halle)からHEXに乗るルートもあります。ただし、このルートでクェドリンブルグに行くには、1回乗換えが必要です。
トーマスクックの時刻表でこのルートを調べると、ハレ発列車とクェドリンブルグ方面ゆき(タレゆき)列車はハルバーシュタット(Halberstadt)で乗換えができますが、ハレ発列車がハルバーシュタットに着く数分前にクェドリンブルグ方面ゆき列車がハルバーシュタットを出てしまうダイヤになっています。このため、僕もこのルートの利用をあきらめています。

 ところがこの両列車は、ハルバーシュタットの隣のWegelebenで乗換えが可能だったのです。トーマスクックの時刻表ではWegeleben駅は割愛されているため、気がつきませんでした。こうと知っていれば、もっと早くクェドリンブルグに到着できたのに・・・と思いました。

 詳しくは、HEXの路線図(http://www.hex-connex.de/)をご覧ください。

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