Chapter 11: ロングアイランド鉄道


8月13日水曜日の9時15分、私の乗ったロングアイランド鉄道(Long Island Rail Road/ LIRR) Ronconcoma ゆきは、ニューヨークの ペンステーション を発車した。車両は、第三軌条式電車である。

ペンステーション のロングアイランド鉄道切符売場。窓口上にはすべての駅の駅名と列車の発車時刻が表示されています。列車のホームも表示されますが、ホームが判明するのは発車の5〜10分前です。

 ロングアイランド鉄道は、ニューヨークの東方のロングアイランドに路線網を持つ近郊鉄道である。路線網・運転系統はなかなか複雑である。

 私の目的地は Port Jefferson という支線の終点であるので、途中の Hicksville で Port Jefferson ゆきに乗り換えた。 Hicksville までは第三軌条式の電車だったが、ここからは2階建て客車を牽引する機関車列車編成の列車である。Port Jefferson Branch(支線)は非電化なのだった。

 10時45分、列車は Kings Park に到着した。Port Jefferson Branch の末端区間である Kings Park 〜 Port Jefferson 間は、朝夕にしか列車の運転が行われない。このため、ここからは列車代行バスに乗り換えとなる。駅前には4、5台のバスが停まっており、私は人の流れについてその中の一台に乗り込んだ。

 バスは、避暑地のような森の中を走ること30分ほど、ノンストップで Port Jefferson の一つ手前の Stony Brook 駅に到着した。そして、全ての乗客が下車してしまった。どうもこのバスはここが終点らしい。思うに、 Kings Park 駅前に4〜5台並んでいたバスは行先別に車両が異なっていて、私は案内を聞きそびれて Stony Brook 行に乗ってしまったらしい。

 Stony Brook の駅前には大学のキャンパスの入口があり、バスに乗っていた人の大半はキャンパスに入っていった。どうりで若い人で満員だったわけである。しかし、私はキャンパス以外にこれといって何もないイナカの駅前で立往生してしまった。

 ふとみると、駅舎の前にバス停があることに気づく。表示を見ると Port Jefferson 駅ゆきである。しかし、時刻表は書いてない。まあ、そのうちこのローカルバスか、もしくは次の列車代行バスが来るだろう・・・と開き直り、 Stony Brook 駅でぼんやり過ごすこと30分、12時すぎにようやくローカルバスがやってきた。私はローカルバスに乗り、本来の目的地である Port Jefferson を目指したのである。


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