Chapter 3-台湾高速鉄路


 □左營 1136(644)1314 桃園
 □高鉄桃園 <1340>(桃園機場)<1407> 桃園機場
 □台北桃園 1545(JL822)1920 中部国際空港

 2011年2月22日、私は台湾高速鉄路の左營駅のホームに立っていた。

台湾高速鉄路は、首都・台北と南部の大都市・高雄市の左營駅までの340kmを結んでいる高速鉄道である。最高速度は300kmである。

【参照】台湾高速鉄路(日本語) http://www.thsrc.com.tw/jp/

  実は、台湾高速鉄路には、訪台当日の2月19日に台北→左營間で乗っている。今日の乗車は2度目となる。初乗りの2月19日は天気が悪く、台北は雨、高雄も雲が多かった。このため、車窓からの景色はいまいちで、少し残念な初乗りになってしまった。
  今日は天気がよく、気分のよい乗車になりそうである。

  台湾高速鉄路の車両が日本の東海道山陽新幹線の700系を基本にしたものであることは、よく知られている。実際見てみると、車体外観・内装とも、700系の面影をはっきりと残している。異国情緒に欠けると言ってもよいほどだ。

  左營駅はホーム3面6線の地上駅である。始発駅なので、列車の写真がゆったり撮れる。
というより、左營駅以外の駅は、構造上、列車の写真撮影がしにくいのである。
  起点の台北は地下駅であるため、撮影には不向きである。
  途中駅は新幹線と同じ構造である。つまり、中央に本線(通過線)・その両側に停車線・さらにその外側にホームがある。しかし、通過線と停車線の間に壁がつくられている。このため、ホームから反対側の列車の写真を撮ることは難しい。

  11時36分、私の乗った台湾高速鉄路の644列車・台北駅は高雄の左營駅を発車した。

  私の乗った644列車は、左營〜台北間の途中駅6駅すべてに停車する『こだま』タイプである。『こだま』タイプの台北までの所要時間はちょうど2時間。これに対して『ひかり』タイプは途中2駅停車(板橋・台中)で所要時間は1時間36分である。
  私が今乗っている電車は台北まで先着するが、一部の『こだま』タイプの列車は途中駅で『ひかり』タイプを待避する。ダイヤ構成も、日本の新幹線の運転と似た感じだ。

【参照】 OuDia ダイヤグラムデータ。台湾高速鉄路 2011年2月
 http://take-okm.a.la9.jp/cgi-bin/accesscount2/redirect.cgi?taisyoufileid=taiwan_hsr_110130.oud

  電車は、台湾南部の左營から嘉義までは、水田地帯を突っ切るようにして高架橋を快走する。車内のLED表示器にはときおり速度が表示されるが、280km/hを超える速度を出している。東北新幹線の栃木県内の車窓に似ているが、椰子の木の多さが台湾らしさを示している。

 
 高鉄台南駅と台南市街を結ぶ、台湾鉄路沙崙線


ところが嘉義をすぎると、電車は坂を登るようになり、速度は210km/h程度に落ちた。左手車窓には、山の中腹から平野を見下ろす風景が開ける。これは台湾高鉄の見所だろう。

 
 嘉義〜台中


  坂を上りきったころに沿線は都市に変わり、電車は台中に停車。ここからの台中・新竹は乗客が多く、最終的には満席に近い乗車率になった。


  13時14分、私の乗った電車は桃園に到着。桃園は『ひかり』タイプの停車駅ではないが、台北(桃園)国際空港のアクセスに便利であるため、大荷物を持つ人が大勢下車した。私も帰国のため、ここで下車となる。

    
 高鉄桃園駅と桃園機場(空港)の間のシャトルバス

日本の新幹線と似過ぎているため異国情緒には欠けていたが、従来の在来線特急で4時間以上かかっていた台北〜高雄間を1時間36分にまで短縮した台湾高鉄の効果はやはり素晴らしい。私はそんな満足を覚えつつ、ホームで電車を見送り、空港ゆきのバスのりばに向かったのである。


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