Chapter 1:6162次 昆明→攀枝花


 2011年8月13日7時30分、私の乗った6162次普客・攀枝花(PanZhiHua)ゆきは、昆明站を発車した。ずっと前から乗りたかった成昆鉄路の旅の始まりである。
 列車は硬座車14両・電源車・荷物車・電気機関車で構成された長編成であるが、車内は座席が8割方埋まっている。

   
 
   
 昆明駅 

 昆明を出て1時間もすると、車窓は山間部の農村風景になった。成昆鉄路は全線が電化単線である。私の乗った普客は大半の駅で反対方向の快速列車(長距離急行列車に相当。ほとんどが夜行列車)や貨物列車とすれちがう。また、後方からの快速列車や貨物列車に追い越されることもしばしば。そんなときは20分近い長時間停車になってしまう。こんなことを繰り返すため、普客はなかなか前に進まない。この状態は、13時半の広道到着まで続いた。列車は各駅で少しずつ遅れが積み重なっており、いつの間にか1時間の遅れになっている。

 まとまった量の降車客があったのは一平浪・青龍寺であるが、その他各駅でも乗客は少しずつ入れ替わっている。200km以上の距離を何時間も普客で乗りとおす人は、中国でもそれほど多くはないのである。

 広道は、大理線の分岐駅である。昆明〜広道間は大理線の列車が合流してくるため、列車本数が多くなっているのである。このため、この区間では複線の新線の建設が行われていた。新線は、高い橋梁を多用した高規格な線路である。この新線が完成すれば、電車方式の高速列車が走るようになるのかもしれない。

 広道を過ぎるころには、車内はゆったりした乗車率になってきた。窓の外は、谷間の風景が多くなってきた。14:38 に龍骨甸を出てからが、最初のループ線区間である。阿南庄駅はループ上にある。とはいえ、下調べが足りなかったため、列車が方角を変えているうちに、ループ線は終わってしまった。こんなことならGoogle Mapでも印刷して持ってくればよかった。

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 引き続き、小村駅〜羊臼河駅にかけてはつづら折りで山を下る。右の車窓からは、これから通る線路が眼下に見える。

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 これらの見所が終わると、列車は平坦地を走るようになる。
 17時の大湾子を過ぎると、線路は金沙江沿いになる。ここまで来ると、終点の攀枝花までは1時間強である。

 ここへ来て、列車は駅名標もないところで停車し、農作物を背負った乗客がたくさん乗ってきてた。終点間際の車内は再び賑やかになった。

 19時02分、列車は時刻表から4分の遅れで、終点の攀枝花に到着した。途中駅で1時間遅れになっていたのに終着駅到着が4分遅れに留まっているのは、普客のダイヤが終点近くで大幅な余裕時間を持っているからなのだろう。

 
 攀枝花

 攀枝花は19時でもまだ明るい。中国では北京時間が使われているため、経度で15度西にある攀枝花は、日没が遅いのである。はじめての土地に降り立つときは、やはり明るいうちがよい。暗くなってから見知らぬ町に降り立つのは、何とも不安なものである。
 何はともあれ、成昆鉄路乗車の1日目は順調に終了した。私は駅前から市バスに乗り、攀枝花市街地に向かったのである。


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