Chapter 2:攀枝花市


 2011年8月13日19時05分、私は攀枝花駅前から市バスに乗り、攀枝花市街地に向かった。攀枝花は駅と市街地が19kmも離れているという都市である。このため、駅から市中心部まではバスで45分もかかる。そして、日本から予約できるようなホテルは市街地にしかない。

 私の乗っている『64路 攀枝花火車站-客運中心』のバスは、 攀枝花駅(攀枝花火車站)を起点とし、市街地を横断して長距離バスターミナル(客運中心)に至る。旅行者には利用価値が高いバスである。
 このバスの運賃は均一ではなく、乗車距離によって1元〜3元となる。このため、乗車後に車掌(おばちゃんである)に行先を申告して乗車券を購入するという方式になっている。しかし、この運賃収受方式には、「目的地の地名を事前に知っていないと乗れない」という欠点がある。「とにかく乗ってみて、街を眺めながら降りる場所を決める」という気ままな乗り方はできない。また、中国語の発音がうまくできない私にとっては、行先を伝えるのも面倒である。
 攀枝花は旅行ガイドブックには出てこない街である。このため、攀枝花市がどういう街なのかの事前情報を得るのは難しかった。当然、市内中心部のバス停名が何なのかも容易には分からなかった。

 しかし、今のインターネットは偉大なもので、攀枝花市の市バス全系統の停留所を検索できるサイトが存在していたのである。これによって、予約していたホテルの最寄バス停の名前、およびこの64路バスの存在を日本で知ることができたのであった。便利な世の中になったものである。

aibang.com:攀枝花市の市バスが検索できるサイト
  攀枝花市だけでなく、中国主要都市の市バスの運行系統を検索することができます。

 攀枝花市の中心部は、川幅の大きい河川の岸に位置している。このため、中国には珍しく、坂の多い街である。市内には両岸を結ぶ大橋がいくつか架かっており、これが市の特徴的な風景になっている。繁華街は、64路バスのバス停で言うなら鴻海巷 〜文景巷 までのあたりに広がっている。



 攀枝花は鉱山を有する工業都市でもある。このため、貨物輸送のための鉄道が攀枝花市内を通っており、夜は貨物列車の汽笛が街に響く。そんな汽笛を聞きつつ、ホテルの窓から貨物列車を見るのもよいものである。


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