2014年8月16日13時20分、私の乗った列車は Salisbury に到着した。Salisbury は、世界遺産であるストーンヘンジへの最寄り駅である。
ストーンヘンジは、ソールズベリの北12kmほどにある、巨石建造物である。今回は鉄道主体の旅行ではあるが、ストーンヘンジへは、前々から訪問したいと思っていた。
ストーンヘンジへは、一般の路線バスは達していない。ソールズベリの駅前から「ストーンヘンジツアーバス」が出ているので、これに乗るしかない。このバスは、ソールズベリとストーンヘンジ・オールドセーラムを時計回りで循環する。
ツアーバスという名前が付いているが、利用の仕方は路線バスである。バスは時刻表にしたがって30分間隔で走っており、乗客はあらかじめ往復乗車券を買ったあとはストーンヘンジ・オールドセーラムで途中下車し、好きな時間のバスで戻ってくることができる。料金は、バスの運賃+ストーンヘンジ入場料+オールドセーラムの入場料を合わせて26ポンドである。
14時00分、私の乗ったストーンヘンジツアーバスは、Salisbury の駅前を出発した。バスはイギリスでは珍しくない2階建て。2階席から狭い市街地を眺めるのは気分がよい。
ストーンヘンジには14:40に到着した。今日は土曜日ということもあってか、ストーンヘンジは観光客で一杯だった。日本人の団体客も結構いる。日本語を聞くのは、ヒースロー空港を出て以来である。
ストーンヘンジの巨石建造物には手を触れたり、中を通ったりすることはできず、数mはなれたところから観賞することになる。このため、その大きさが今ひとつ実感できない。なかなか他では見られない光景ではあったが、迫力は今ひとつだった。
ストーンヘンジでは、オーディオツアーという方式をとっている。訪問客は、貸し出された音声ガイド再生機を自分で操作して説明を聞きながら、ストーンヘンジを自分の足で巡るという方式である。オーディオツアーには日本語のプログラムもあるので、日本語の説明が聞けるのはありがたい。
が、ストーンヘンジの発掘の歴史に関する説明が長いので、全部聞いていたら時間がかかる。今日は結構暑いので、立ち止まって全部聞いていたら大変である。オーディオガイドではときどき「ストーンヘンジが作られた時代を想像してみて下さい」などというガイドも出てくるのだが、何しろ人が多いため、神秘的な想像を巡らせるゆとりは無かった。
16時40分発のバスでストーンヘンジを出発し、次の訪問地オールドセーラムには17時に到着した。ここは、古い都市の遺跡である。
ストーンヘンジと違って人は少なく、また、遺跡に手を触れることもできる。また、この遺跡は丘の上にあり、遺跡の城壁からの眺めはとてもよい。夕方になって風も涼しくなったため、快適だった。
最初はあまり期待していなかったオールドセーラムであるが、ストーンヘンジよりもずっと印象の良いところだった。私は、満足感を覚えつつ、18時20分の最終の『ストーンヘンジツアーバス』で、オールドセーラムを後にしたのである。