長距離鉄道-Great Southern Railway


オーストラリアの長距離鉄道

http://www.railaustralia.com.au/

オーストラリアの長距離列車は、広い大陸の州都間を結んでいます。しかし、州都間の距離が1000km単位にも及ぶオーストラリアのことですから、所要時間の点では飛行機に比べると実用的ではありません。また、運転本数は非常に少なく、速度もそれほど速いわけではないため、移動手段として考えた場合は、長距離バスに比べてメリットがあまりありません。

 オーストラリアの長距離列車は、ゆったりとした旅を楽しむためのクルージングトレインとして位置付けられています。このため、夜行列車では寝台車・食堂車・ラウンジなどが充実していますし、昼行列車でもビュッフェは備えられています。
 それら列車の頂点に君臨するのが、世界の豪華列車として位置付けられている、シドニー〜パース間4345kmを3泊4日で走る『インディアンパシフィック Indian Pacific』号と、アデレード〜アリススプリング間を走る『ザ・ガン The Ghan』号です。


Great Southern Railway

http://www.gsr.com.au/

 Great Southern Railway は、シドニー−メルボルンから西部に向けての長距離列車を担当しています。『インディアンパシフィック』をはじめとした、世界に有名な豪華列車を運行しています。

 具体的には、以下の3列車が『Great Southern Railway』の列車です。

 各列車とも、毎日運行ではなく、週に1〜3便の運行です。このため、利用するためには、その列車が何曜日に発車するかを調べた上で旅行スケジュールを立てなくてはならず、日程の制約になってしまいます。

 以前は、『ザ・ガン』は、アデレード始発ではなく、シドニー・メルボルン始発でした。しかし、WEBサイトを見るかぎり、現在の『ザ・ガン』はアデレード始発に短縮されてしまったようです。

 『ザ・ガン』・『オーバーランド』は、起点から終点まで乗っても車中1泊で着きます。しかし、運転距離の長い『インディアンパシフィック』の場合、シドニーからパースまで乗りつづけると、3泊4日の乗車になります。

 筆者は、2001年4月に、『ザ・ガン』に乗車することができましたので、これについて紹介します。当時の『ザ・ガン』はシドニー・メルボルン始発であり、筆者はメルボルンからアリススプリングまで乗車しました。『インディアンパシフィック』も、車両・サービスは『ザ・ガン』とほぼ同水準です。

ザ・ガン(2001年4月)

 『ザ・ガン』は、大型の客車を約25両も連ねたスケールの大きい列車です。
 『Great Southern Railway』では、一等車を『Gold Kangaroo Service』・二等車を『Red Kagaroo Service』と呼んでいます。

 『Gold Kangaroo Service』は、寝台車と専用食堂車・専用ラウンジカーで構成されています。寝台車は1人用と2人用の個室があり、どちらも各個室に洗面器・トイレが備え付けられています。
 『Red Kangaroo Service』には、寝台車・食堂車・ラウンジカーのほかに、座席車もあります。寝台車は2人用個室で、洗面所はありません。座席車は2列−2列のリクライニングシートです。どちらも、ラウンジカーには売店が備え付けられており、ここで軽食や飲み物を購入することもできます。
 これら車内設備の模様は、上記のWEBサイトで見ることができます。

 『ザ・ガン』は、編成中に『Gold Kangaroo Service』の寝台車約8両・食堂車1両・ロビーカー1両、『Red Kangaroo Service』の寝台車約8両・食堂車1両・ロビーカー1両・座席車2両、そのほか荷物車・乗務員用車などが連結されています。

 『ザ・ガン』は、世界的な観光地である『エアーズロック Ayer's Rock』への玄関口であるアリススプリングに行く列車、いわばリゾートトレインです。このため、客層は結構広く、優雅な熟年旅行者から若いカジュアルな旅行者までが乗り合わせます。

 アリススプリングスゆきの『ザ・ガン』は、アリススプリングに到着する日には、大陸中央部のノーザンテリトリーに入ります。見渡す限りの荒涼とした台地の中を延々走り続ける列車の旅は、日本では味わえないものです。

 なお、『ザ・ガン』は、2005年3月31日に、アリススプリングから大陸北部のダーウィンまで延長されることが決まっています。この点についても、詳細はWEBサイトで紹介されています。


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