CHAPTER 7−チワワ到着

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チワワのソカロ

 21時を過ぎたころ、チワワの街並みが見えてきた。薄暗い街灯に照らされた、きれいとはいえない建物を見ていると、不安がさらにつのってくる。それに、ガイドブックによれば、チワワ駅から市中心部までは、歩いては行けないほど離れているという。

 結局列車がチワワに着いたのは21時40分、1時間50分遅れである。

 駅の周りは薄暗く、ホテルなど一つもない。そして、駅の出口にはタクシーの運転手がたむろしていて、口々に「タクシ!」と声をかけてくる。何しろこの時刻ではこちらの立場が断然不利であり、結局私はその中の一つに乗って市中心部に向かったのであるが、こういうタクシーは街中のホテルとつるんでいるようで、運転手はとあるホテルの前でタクシーを停めて、ここにしろと言い、そのホテルのフロントにまでついてくる。

 結果としては、それほど高くないホテルに落ち着けた(といっても、最初に割り当てられた部屋はカギも満足にかからないところだったので、クレームをつけて変えてもらった)のだから、よいとも言える。しかし、こういうタクシーの利用はあまり安全な行動とは言えず、とても人にはおすすめできない。私がチワワ駅に着いたときには、名前の書かれたプラカードを持った迎えの人も何人かいた。おそらく、旅行会社を通じて手配したものと思われるが、そういう人を手配するのが無難な方法なのだろう。

 こんな状況なので、「1等急行」よりもさらに遅く、おそらく11時すぎに到着しただろう「2等列車」のもようは、私には全くうかがい知るすべがないのであった。



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