フィンランドでの乗車券購入


 フィンランドの鉄道では、駅に切符売り場窓口がある駅は、9駅ほどしかありません。あったとしても、日本のように初発から終列車まで開いているわけではありません。乗客の最も多いヘルシンキ駅ですら、平日は19時、土曜日は17時に切符売り場はクローズとなります。切符売り場の有無と営業時間は、VRのWEBサイト(https://www.vr.fi/)に掲載されています(メニュー [Tickets]-[Buy a ticket]-[Buy long-distance train tickets]-[Purchase locations] )。

 ヘルシンキからの夜行列車の終着駅(ロバニエミ)であっても、切符売り場がありません。
 大部分の駅では代わりに、「VR」マークの券売機が設置されています。この券売機は、フィンランド鉄道全線全区間の列車の検索と座席・寝台の予約ができるという優れものです。しかし、現金での購入はできず、クレジットカードが必要です。

 また、多くの乗客は、スマホでモバイル乗車券を購入しています。検察時を見ていると、多くの人が、スマホ画面に表示された2次元コードを車掌に示しており、車掌はそれをスキャンして乗車券をチェックしています。

 他の方法としては、自宅のPCからインターネット経由で乗車券を購入することもできます。購入した乗車券は、PCでプリントアウトしたものを持参することもできますし、券売機で予約番号を入力して乗車券を受け取ることもできます。

 また、券売機のない駅もあります。ヘルシンキからの夜行列車が停車する駅なのに券売機がない、という駅も珍しくありません。また、券売機があっても、故障していることもしばしばあります(画面が Windows のSTOPエラー画面になっているのを見たこともあります)。こんな場合は、スマホかインターネットで乗車券を用意するか、乗車後に車掌から乗車券を購入することになります。しかし、車掌から乗車券を購入する場合は、座席の予約はできないうえ、手数料がかかります。

 いずれにしても、フィンランドでは、クレジットカードとフィンランドで使えるスマホがないと、鉄道の乗車券購入はかなり不便になります。しかしこれでは、クレジットカードやスマホを持つことが難しい外国人や学生旅行者は大変だと思います。
 「今時クレジットカードを持たない人などいるのか?」などと思うかもしれませんが、僕はヘルシンキ駅で券売機を操作しているとき、見知らぬ人から「自分はサンクトペテルブルグまでの切符(※)を買いたいが、現金しか持っていない。代わりに券売機で切符を購入してくれないか」と持ちかけられたことがあります。


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