Chapter 1-台湾鉄路南廻線普快車


[2011/02/21]
□高雄 1145(枋寮)1341 枋寮
□枋寮 1423(台東)1629 台東

 2011年2月21日14時23分、私の乗った355次普快車・南廻線経由台東ゆきは、枋寮駅を発車した。列車は、ディーゼル機関車1両+旧式の非冷房の客車2両である。2月の台湾南部の日中の最高気温は20℃強なので、窓を開けて自然色の車窓風景をのんびり眺めながらの汽車旅が楽しめる。

 『普快』は台湾では一番下位の列車種別名で、日本では『普通』に相当する(【参照】台湾鉄路の列車種別
 台湾でもローカル列車の近代化が推進されたため、非冷房の旧型客車によるローカル列車は珍しいものになってしまった。このためか、この南廻線普快は、台湾の鉄道ファンのほか、日本かららしい鉄道ファンの方も乗り込んでいる。反面、地元の利用客はほとんどいない状態、鉄道旅行者専用列車の様相になっている。


 この列車が走る南廻線は台湾南部を東西に横断する路線だ。開通は1990年代で比較的新しい路線である。人口の少ない地区をトンネルと橋梁を駆使して短絡し、それまで交通の不便だった南部台湾の主要都市高雄と東部の台東を結ぶ、高規格の路線である。北海道の石勝線に似た性質の路線である。
 列車の運行もこれを反映しており、一日の列車本数は優等列車の『自強』・『Chu-kuwang』があわせて14往復走るのに対し、普快は2往復しか設定されていない。

【参照】 OuDia ダイヤグラムデータ。台湾鉄路屏東南廻線 2011年2月
http://hpcgi2.nifty.com/take-okm/accesscount2/redirect.cgi?taisyoufileid=taiwan_pingtung_south_110206.oud



 355次列車は、枋山までは台湾の西海岸の町の展望・枋山から古莊までは山岳地帯・古莊を過ぎた大武からは東海岸の海に面した車窓になる。海岸と山越えを併せ持った車窓は変化に富んでおり、鉄道旅行としての魅力の高い路線である。
なお、南廻線は単線であるが、枋山〜古莊間にある枋野信号場から古莊までの山越え区間は複線になっている。この区間は大部分がトンネルである。



 2時間強の南廻線の旅は終わり、16:35、列車は少し遅れて台東駅に到着した。


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