3. Leeds-Carlisle


 2014年8月11日朝8:20、Leeds駅は通勤客でごったがえしている。
 今日の予定は、8:49発のCarlisle行き普通列車への乗車である。今回の旅行では初めてのローカル列車乗車となる。



 2014年8月11日8:49、私の乗ったCarlisle行き普通列車はLeeds駅を出発した。
 私が今乗っている路線は、途中のSkiptonまでは15分間隔で各駅停車が走る近郊区間である。電化はされていないが、複線化されている。

 Skiptonから先の区間は、普通列車が1日10往復走るだけの過疎区間である。しかし、線路は複線である。行き違い待ちでの長時間停車などというものはない。日本では、普通列車のみの1日10往復運転の路線が複線で作られていることはまず無い。間違いなく単線である。イギリスは贅沢な線路の敷き方だと思った。

 この先の区間は、日本の旅行ガイドブックでも『セトル・カーライル鉄道』として紹介されている。地理的にはヨークシャー・デイルズ国立公園を通行しており、景勝路線と言われている。

 この路線の最大の見所とされているのは、『リブルヘッド高架橋』である。長さは400m、高さ32mのアーチが連なった美しい鉄道高架橋なのであるが、残念ながら列車に乗って渡るだけでは、その美しさを見ることはできなかった。『リブルヘッド高架橋』のあたりにはハイキングコースもあるそうなので、次に訪れるときは途中下車して歩いてみたいと思った。
 なお、ローカル線であるにも関わらず線路が複線であることは前述したが、『リブルヘッド高架橋』の部分は単線だった。

 Dent駅は、「イングランドの本線上の駅でもっとも高い駅」なのだという。とはいえ、高度は1150フィート(350m)。イングランドというのは、平坦な地域なのである。
 Dentの辺りでは、たしかに勾配が多く、見晴らしいのいいところを走る。標高が高いため、沿線はいままで見えていた肥沃な農地の風景から、緑の少ない荒野の風景に変わる。


 とはいえ、険しい坂を登る山岳鉄道のような感じではなく、線路は複線。そこを列車は比較的速く走る。Skipton〜Carlisle間は138km。そこを私の乗った列車は所要時間は2時間10分で走っているので、表定速度は64km/h。似たような条件の、日本の小海線の小淵沢〜小海間の表定速度は40km/h 程度である。イギリスのローカル列車は、日本のローカル線の各駅停車よりもかなり速い乗り物なのである。


 列車が下り坂になり、再び沿線が肥沃な農地の風景になってくると、間もなく終点のCarlisle である。この列車のCarlisle着は11:34。次に乗り換える列車は 11:50発の Barrow-in-Furness ゆき。海外鉄道旅行としては、慌しい乗り換えの予定である。



 11時35分、列車は時刻表どおりにCarlisleに到着した。急いで「11:50発 Barrow-in-Furness ゆき」を発車案内板で確認すると、次の列車の乗り場は2番線。2番線を見ると、ローカル線仕様のディーゼルカーの2両編成が停まっており、しかも車内は満席に近い。
 これはまずいと焦って、その列車に急いで乗り込んだところ、列車は11時37分頃にいきなり発車してしまった。

 実はこれは、発車の遅れていた先発の「11:35発Newcastle ゆき」の列車であった。私は乗り間違えてしまったのである。


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