私は、間違えて乗り込んでしまった Newcastle ゆき列車で、時刻表(European Rail Timetable)を繰っていた。
Carlisle〜Newcastle間のこの路線は、全線通しの快速列車が1時間毎、途中のHexham〜Newcastle間運転の普通列車が1時間毎に走る。快速列車は、普通列車の走らないCarlisle〜Hexham間では各駅に停車するものが多いが、あいにく私の乗っている列車は、Carlisle〜Newcastle間の全線で快速運転をする速達列車だった。
この運転本数では、次の停車駅で下車してCarlisleに戻っても、元の旅程に戻ることは無理である。私は元の旅程をあきらめてNewcastleまで行き、Newcastle周辺の路線を乗り歩くことにした。路線図を見ると、Newcastleも鉄道路線のハブのひとつであり、Newcastleからはいくつも支線が延びている。
そんなわけで、この列車の車内では時刻表を見ている時間が多く、あまり車窓は印象に残っていない。森林の中を走っていることが多い路線だったと思う。
終点のNewcastleが近づくと、列車は川を高い橋でゆっくり越える。NewCastleはタイン川の河岸に面した都市で、美しい大橋が並ぶ美しい都市なのであった。
駅を出た私は、つい先ほど列車で渡った橋に歩いて行ってみた。この High Level Bridge という橋は、上層が鉄道、下層が道路の併用橋である。下層の道路は1車線しかないため車は一方通行になっているが、歩道が併設されているため、歩いて渡ることができる。高い橋から見る川沿いの町並みは、やはり絵になる。それはいいのだが、この街は坂が多いため、散歩するには疲れる街である。