4月25日朝、私は近郊電車に乗ってメルボルンを出発した。2日も待ったかいあって、今日はまずまずの天気である。電車は1時間ほどで山間の終着駅ベルグレイブに到着する。
このベルグレイブから、ナローゲージの観光SL「パフィン・ビリー鉄道」が出ている。ベルグレイブ駅は観光客で大にぎわいである。
10時30分、私の乗ったパフィン・ビリー鉄道はベルグレイブを出発した。ナローとはいえ、機関車2両+客車15両の編成はかなりの迫力である。しかも、客車のほとんどは窓ガラスのないオープンゴンドラなので、すがすがしい風を感じながら森林・高原風景を満喫できるわけであるが、ここメルボルンは今はすっかり秋なので、高原の風は寒いほどであった。
それでも、これで心おきなくメルボルンを発てる・・・。私は次なる目的地への期待と不安を胸に、夜行列車でメルボルンを去るのであった。