CHAPTER 5−ガルフランダー

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 たどりついたノーマントンというところは、想像をはるかに超えた田舎町。宿泊施設はモーテルが2〜3軒あるだけである。鉄道に乗るためでなければ、こんな未知の場所には不安で来れない。
 ここから出る鉄道は、クロイドンまでの152kmを結んでいる。他の鉄道とは全く接していない。まさに、オーストラリアの最果ての、離れ小島の鉄道である。しかも、列車は週に1往復しか走らない。


ノーマントン駅

 翌朝駅で私を待っていた列車「ガルフランダー」号は、機械式クラッチのディーゼルカーである。しかも、これが年代物の重厚な客車を引いて走るのだ。誰の目にも珍しい列車であるため、カメラを向ける人は多い。

 列車は20人程度の乗客を乗せて、荒れた草ぼうぼうの線路の上をガタガタ揺れながらゆっくり走る。沿線はひたすら森林なので車窓風景は単調ではあるが、まあ古き時代の雰囲気に浸るのが目的の列車なのだろう。

 

沿線きっての撮影ポイントであるノーマントン川の橋では、列車は乗客を一旦降ろしたうえで橋を往復し、列車撮影ができるようにしているほか、昼時にはティータイムのための長時間停車もとられる。その他も、何カ所かの見所では停車時間がとられている。

 と、のどかな汽車旅が続くこと4時間強、終点のクロイドンはノーマントンをもはるかに超えた、とんでもない田舎の村であった。宿泊施設は1ケ所のみ、それ以外は民家もまばらなところである。鉄道に乗るためだとしても、こんな僻地と分かっていたら、来る決心はつかなかったかもしれない。

 この『ガルフランダー』のことは、日本で販売されている旅行ガイドブックにも全く紹介されておらず、日本人が訪れることも非常に少ないものです。また、列車の起点のノーマントン・終点のクロイドンともに相当な田舎で、ここへ行くためのバスも週に2〜3往復しかありません。このため、レンタカー利用でない限り、ガルフランダーに乗るためにはノーマントン・クロイドンの両方へ宿泊することになります。都市部やリゾート地とは全然印象の異なるオーストラリアを体感することができます。

 QRのWebサイトによれば、2003年7月現在のダイヤは、ノーマントン発クロイドン行きが水曜日の8:30発、クロイドン着は13:00・クロイドン発ノーマントン行きは木曜日の8:30発、ノーマントンには13:00着です。
 ほとんどの人は、車でノーマントンに来て、車をノーマントンに置いてクロイドンまで列車を往復利用しています。クロイドンは西部劇を連想させるような風景の小さな田舎町ですが、観光案内所がちゃんとあり、2〜3時間程度の町内観光ツアーを催行しています(無料)。

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