CHAPTER 6−サバンナランダーへのアクセス

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 『サバンナランダー』は、ケアンズ〜フォーサイス間423kmの間を週1往復走る列車である。走行区間のうち、ケアンズ〜クランダ間33kmは『クランダ鉄道』として多くの観光客に親しまれていて、ケアンズ〜クランダ間を走る『クランダ鉄道』列車は観光客で大にぎわいである。しかし、大方の観光客にとってはクランダが終点であり、そのはるか西に向かう列車があるのを知る人はほとんどいない。

 5月3日、クロイドンからケアンズゆきのバスに乗ること約1時間半、私は正午ごろにジョージタウンというところに降り立った。乗ってきたバスも『CORAL COACHES(CAIRNS KARUMBA COACHLINE)』であるが、マウントアイザからのものとは異なり、大型のバスである。

 ジョージタウンもまた大変な田舎であるが、トーマスクックの時刻表によれば、ここから『サバンナランダー』の始発駅であるフォーサイスに行く『FORSAYTH COACHES』なるバスが、週2往復出ていることになっている。発車時刻は13時であり、今まで乗ってきたバスの接続を受けるダイヤと見受けられる。クロイドンからのバスのドライバー氏によれば、フォーサイスゆきバスの切符はジョージタウンのバス停(兼ドライブイン)では売っておらず、運賃は運転手に直接払うことになっているという。そういうことなので、私はとにかくフォーサイスゆきのバスを待っていた。
 すると、1人のおじさんが話しかけてきた。聞いてみると、フォーサイスにある宿の主人らしい。値段も高くはなかったので、このおじさんのところに泊まることにした。すると、おじさんのクルマ(8人乗り相当)に招かれた。

 クルマは舗装もされていない道を100km/hで突っ走る。そして、時折途中の民家や郵便局に立ち寄って荷物や郵便物をやりとりしながら、フォーサイスの民宿イコールおじさんの家に到着した。どうやら、このおじさんが人口67人のフォーサイス村の荷物・郵便輸送を担い、そしてわずかな旅行者に宿を提供しているらしいことは分かったが、ひょっとして旅客輸送も担っているのだろうか?つまり、私の乗ってきたクルマこそが「ジョージタウン発フォーサイスゆきバス」だったのだろうか?(現実に、この間のバス代相当額は宿代と一緒に支払っている)

 それにしても、ノーマントン・クロイドン・フォーサイスと、行けば行くほど田舎になっていくではないか。ここまで大変なところとは思わなかった。しかし、ここフォーサイスからはケアンズへの鉄道が出ているのである。


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