CHAPTER 7−サバンナランダー

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Forsayth

 5月4日7時45分、私の乗った列車『サバンナランダー』は、フォーサイスを出発した。こちらは機械式クラッチではないが、年代物のシルバーボディのディーゼルカー2両編成、座席は転換クロスシートである。後日、シドニー郊外のブルーマウンテンを走る観光鉄道『ジグザグ鉄道』で、これと同じディーゼルカーを見たときは懐かしくなった。



 この列車も『ガルフランダー』同様の遊覧列車なので、景勝地では散策のための停車
時間がとられるほか、昼食やティータイムにも長時間停車を行う。

 フォーサイズ〜ケアンズ間は423km。それをこんなペースで走っていたのでは、1日でケアンズに着くわけがない。初日は13時着のマウントサプライズで運転終了となり、マウントサプライズ発は次の朝、ケアンズ着は2日目の18時40分である。



 『サバンナランダー』の路線は『ガルフランダー』とは異なり、山越えもあるため、結構勾配やカーブが多い。山越え区間でも(クランダ鉄道区間を除いて)トンネルはまったくないため、車窓からパノラマ展望が楽しめる区間もある。 とはいっても、有名な観光列車『クランダ鉄道』の区間であるクランダ〜ケアンズ間の車窓の素晴らしさにはかなわない。『サバンナランダー』がクランダ鉄道区間に乗り入れる頃には、乗客と乗務員はすっかり仲良しになっており、車窓の見所ではまめに列車を一時停止させてくれたり、はてはバックしてもくれる。このため、『クランダ鉄道』列車に乗るよりは車窓を満喫できる(残念ながら『サバンナランダー』はクランダ鉄道区間のみの乗車はできない)。

 長い田舎の道のりの果てに、ケアンズという都会にたどりついたときには心底ほっとしたが、ケアンズでは日本人の多さにびっくり。日本はゴールデンウイークだったのか・・・私は楽しそうに街を行き交う人々を、しばらくぼんやりと眺めていたのである。


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