Chapter 6: NJ Transit


 8月12日朝、私は ペンステーション ( Pennsylvania Station ) の待合室で、 NJ Transit( New Jersey Transit、ニュージャージートランジット) のトレントン(Trenton)ゆき列車を待っていた。

 ペンステーション は、グランドセントラルと並ぶニューヨークの鉄道ターミナルである。 ペンステーションにはロングアイランド鉄道・ニュージャージートランジット・それに全米を走る長距離列車Amtrakが乗り入れており、ニューヨーク一の鉄道駅になっている。

 ペンステーションも巨大な地下駅で、ホームの数は非常に多い。にもかかわらず、列車の発車5〜10分前になるまで、目的の列車が何番線から出るのか分からないという、不便な駅である。このため、発車番線が表示される案内板の周りは、いつも人で混み合っている。私が乗ろうとする列車も発車直前までどのホームから出るのか分からないため、待合所で発車案内板を注視しているしかないのである。

 9時43分、私の乗ったトレントンゆき各駅停車は、ペンステーション を出発した。ペンステーション発車後もしばらくは地下走行が続く。ハドソン川の地下を抜けて列車が地上に出るころには、すでにニューヨーク州ではなくニュージャージー州である。

 この列車の走る NJ Transit の Northeast Corridor(北東回廊線)も、メトロノースの ニューヘブンラインと同様に Amtrak と線路を共用しており、線路は内側急行線型の方向別複々線である・このため、小駅のホームは外側線にのみ面している。
 ところがである。今日は北行の外側線は保線工事が行われている。このため北行の各駅停車も急行線を走行している。

では、外側線にしかホームのない駅ではどうしているのかというと、ホームと内側線の間に橋を架けて、内側線を走る列車に乗降できるようにしているのである。これも、日本では見られないような線路の使い方である。

New Jersey State House(州会議事堂)
内部を見学するツアーもあるようです

 そんなことに感心しているうちに、列車は終点のトレントンに到着した。トレントンはニュージャージー州の州都であるが、日本人観光客には馴染みのない小都市である。


補足


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